2015年7月の活動報告

2本の論文が出版されました。どちらのテーマも研究を継続していく予定です。

論文「磁気テープから演劇へーージョン・ケージ《ウィリアムズ・ミックス》」『Art Trace Press』第3号、2015年、80-89頁。
論文「サウンド・パターンを聴くーートニー・シュヴァルツのドキュメンタリー録音」『美学』第246号、2015年、185-196頁。


洋書レビューも隔月で書いています。

雑誌『アルテス』電子版 洋書ブックレビュー http://magazine.artespublishing.com/
no.14「Timothy D. Taylor "The Sound of Capitalism: Advertising, Music, the Conquest of Culture"」『アルテス』2015年5月号。
no.15「Andrew Schartmann "Koji Kondo’s Super Mario Bros. Soundtrack"」『アルテス』2015年7月号。

2015年4月の活動報告

先ごろ出版された『表象』第9号の特集「音と聴取のアルケオロジー」は、現在の聴覚文化研究/サウンドスタディーズに関するまとまった紹介になっています。共同討議と翻訳に参加させていただきました。

渡辺裕+吉田寛+金子智太郎+長門洋平+福田貴成「共同討議 聴覚性の過去と現在」『表象』第9号、2015年、17-59頁。
ファイト・アールマン「デカルトの共鳴する主体」金子智太郎訳『表象』第9号、2015年、105-125頁。



自分の論文も出版されました。テープ・レコーダーの芸術的応用についての研究を少しずつでも進めていこうと考えています。

論文「同調の技法:デヴィッド・ダンのサイト-スペシフィック・パフォーマンス」『国際哲学研究』第4号、2015年、141-149頁。http://www.toyo.ac.jp/uploaded/attachment/15430.pdf

学会発表 金子智太郎、城一裕「音を発する装置の構造ーー生成音楽ワークショップの総括として」先端芸術音楽創作学会、2015年。
「生成音楽ワークショップの展覧会」カタログも後ほど公開される予定です。

雑誌『アルテス』電子版 洋書ブックレビュー http://magazine.artespublishing.com/
no.13「Brandon LaBelle "Lexicon of the Mouth; Poetics and Politics of Voice and Oral Imaginary"」『アルテス』2015年3月号。

生成音楽ワークショップの展覧会

生成音楽ワークショップ(城一裕、金子智太郎)は3月に展覧会を開催します。


<プレスリリース>

「生成音楽ワークショップの展覧会」

会期:2015年3月14日(土)〜2015年3月18日(水)
会場:さくらWORKS〈関内〉http://sakuraworks.org/
住所:〒231-0012 横浜市中区相生町3-61 泰生ビル2F
アクセス:JR関内駅より徒歩5分、みなとみらい線馬車道駅より徒歩5分
開館時間:11:00-20:00(3月14,15日)、11:00-18:00(3月16−18日)
入場料:無料

開催概要
楽家の手を離れて自動的に奏でられる音楽を「生成音楽」と呼びます。城一裕と金子智太郎による「生成音楽ワークショップ」は、装置を使った生成音楽の古典作品を再現することで、この音楽の実践のあり方を考えるプロジェクトです。2010年に始まり、これまでに11回開催された本ワークショップは展示、イヴェント、子供向けプログラム、大学講義などのかたちで、毎回異なる作品を再現してきました。「生成音楽ワークショップの展覧会(仮)」はこれまでの活動のひとつの総括として、過去の実践を紹介しながら、取りあげてきた作品のいくつかをもう一度再現、展示します。


展示構成(予定)
アルヴィン・ルシエ「細長いワイヤーの音楽」(再現)
エオリアン・ハープ
レオン・O・チュア「チュア回路」(再現)
ジョン・ケージ「失われた沈黙を求めて」(再現資料)
鳴釜


関連イヴェント
①エオリアン・ハープ制作ワークショップ
日時:3月15日 12時から15時
会場:さくらWORKS〈関内〉
講師:杉山紘一郎(冷泉荘管理人)
人数:10名
参加費:3000円、要事前申込み(2月中旬申込開始予定)

トーク・セッション「生成音楽の実践を考える(仮)」
日時:3月15日 16時から17時半
会場:さくらWORKS〈関内〉
登壇者:畠中実(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]主任学芸員)、中川克志(横浜国立大学都市イノベーション研究院准教授)、城一裕、金子智太郎
入場料:無料

③パフォーマンス
日時:3月15日 18時から20時
会場:さくらWORKS〈関内〉
出演者:堀尾寛太、杉山紘一郎、大山千尋IAMAS)ほか
入場料:無料


お問い合わせ
中川克志(横浜国立大学都市イノベーション研究院准教授)
E-mail:katsushinakagawa@ynu.ac.jp

主催:生成音楽ワークショップ(城一裕+金子智太郎)
共催:YCCスクール
協力:横浜国立大学人間文化課程音響空間スタジオ(中川克志研究室)、杉山紘一郎(冷泉荘管理人)、情報科学芸術大学院大学[IAMAS]


本展覧会は日本学術振興会科研費・挑戦的萌芽研究「生成音楽の体系的理解に向けた音を生み出す構造の分析」(24652029)の助成を受けたものです。

八木良太展トーク・セッション、2014年後半活動報告

神奈川県民ホールギャラリーで開催されている八木良太さんの「サイエンス/フィクション」展のカタログに文章を掲載させていただきました。1月12日(月・祝日)には本展のトーク・セッションにも参加します。トークは予約不要で、展覧会のチケットがあれば観覧できます。


八木良太展「サイエンス / フィクション」トーク・セッション
物の理(もののことわり) 八木良太の場合

2015年1月12日(月・祝)14:00
畠中実(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]主任学芸員)、金子智太郎(東京藝術大学/本展図録ゲスト執筆)、八木良太


八木良太展「サイエンス/フィクション」 http://www.lyt.jp/
神奈川県民ホールギャラリー http://www.kanakengallery.com/detail?id=32993


参考

REALKYOTO「サイエンスとフィクションの狭間に」インタビュー:八木良太(アーティスト)
聞き手・構成:畠中実(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]主任学芸員
http://realkyoto.jp/article/interview_yagi-ryota/

ICC オープン・スペース 2008 エマージェンシーズ!008 八木良太(出品作家)×畠中実 アーティスト・トーク【前半】
http://hive.ntticc.or.jp/contents/artist_talk/20080511
http://hive.ntticc.or.jp/contents/artist_talk/20080511_2



2014年の後半の活動報告をまとめておきます。

論文

「秘められた録音――ロバート・モリス《作られたときの音がする箱》」『東京芸術大学美術学部紀要』第52号、2014年、85-101頁。

八木良太の作品を通してみる物質文化」『八木良太展 サイエンス/フィクション』展覧会カタログ、神奈川県民ホールギャラリー、2015年、168-181頁。



雑誌『アルテス』電子版 洋書ブックレビュー http://magazine.artespublishing.com/

no.10「Janet Kraynak "Nauman Reiterated"」『アルテス』2014年9月号。

no.11「Michael Cowan "Walter Ruttmann and the Cinema of Multiplicity: Avant-garde - Advertising - Modernity"」『アルテス』2014年11月号。

no.12「David Novak "Japanoise: Music at the Edge of Circulation"」『アルテス』2015年1月号。


昨年した仕事の多くは年度末から今年夏前に出る予定です。ケージ論も今年こそ出るのでは。

『アルテス』洋書レビュー デヴィッド・グラブス

『アルテス』最新7月号に、デヴィッド・グラブスの新刊『レコードはランドスケープを台無しにする』のレビューを書きました。関心のある方も多いのでは。

『アルテス』電子版 http://magazine.artespublishing.com/



これまでに『アルテス』にレビューを書いた本のリストです。


1. Salome Voegelin, Listening to Noise and Silence. 創刊号(2011年)

2. Paul DeMarinis, Buried in Noise. 第2号(2012年)

3. Steve Roden, ...i listen to the wind that obliterates my traces. 第3号(2012年)

4. Jonathan Sterne ed., The Sound Studies Reader. 第4号(2013年)

5. Cathy Lane & Angus Carlyle, In the Field: The Art of Field Recording. 2013年10月号

6. Robert Scotto, Moondog: The Viking of 6th Avenue. 2013年12月号

7. Holly Rogers, Sounding the Gallery: Video and the Rise of Art-Music. 2014年2月号

8. Andrey Smirnov, Sound in Z: Experiments in Sound and Electronic Music in Early 20th Century Russia. 2014年4月号

9. David Grubbs, Records Ruin the Landscape: John Cage, the Sixties, and Sound Recording. 2014年7月号

イベント・研究会

7月に2つのイベント、1つの研究会で話します。国際哲学研究センター研究会では、美学会での発表を元により広い背景を考えてみようと思います。


7月8日(火)歌舞伎町BE-WAVE 20:00-24:00
季刊フィールドレコーディングオンリーイベント “Field of Dining Sounds vol.5”
https://www.facebook.com/takuya1003/posts/781812625205058


7月9日(水)アーツ千代田 3331 18:30-20:30
中島吏英 “Fall”
http://www.3331.jp/schedule/002498.html


7月26日(土)東洋大学白山キャンパス 14:00-15:30
国際哲学研究センター第3ユニット研究会
金子智太郎「同調の技法――デヴィッド・ダンの サイト‐スペシフィック・ミュージック」
http://www.toyo.ac.jp/site/ircp/50404.html


よろしくお願いします。

2013年後半の活動報告

あけましておめでとうございます。2013年後半の活動報告です。


雑誌『アルテス』電子版 洋書ブックレビュー
Cathy Lane & Angus Carlyle, In the Field: The Art of Field Recording. 2013年10月号

Robert Scotto, Moondog: The Viking of 6th Avenue. 2013年12月号


畠中実、金子智太郎
「聴くこと、見ること、知覚すること──音=楽=アートの現在形」
Artscape トークシリーズ:「Artwords」で読み解く現在形[シリーズ6:“音”の現在形]
http://artscape.jp/study/artwordtalk/10094695_18145.html

長嶌寛幸、金子智太郎
「メタル・マシーン・ミュージック 演奏と録音がせめぎあう場」
ユリイカ 特集ルー・リード』2014年1月号
http://www.seidosha.co.jp/index.php?9784791702664


生成音楽ワークショップ第10回 城一裕「紙のレコード」
横浜国立大学都市イノベーション学府Y-GSCスタジオ 音響空間スタジオ・ワークショップ
http://www.ycc-school.jp/category/archive/



未公刊ですがこの他に中川克志、金子智太郎「日本におけるサウンド・アート」調査報告第3回、ジョン・ケージ論、ロバート・モリス論を投稿しました。デヴィッド・ダン論とトニー・シュヴァルツ論のまとめは今年の課題です。

また、70年代の生録文化、特にソニーが主催した「全日本生録コンテスト」の資料を探しています。何かお持ちでしたら見せていただけるとうれしいです。 tomotarokaneko[at]gmail.com までご連絡ください。



本年もよろしくお願いします。