アンビエント・リサーチ第1回予告

アンビエント・リサーチ

第1回 なぜアンビエントを聴くのか/アンビエントとテクノロジー



日時:2月28日(日) Open15:10, Start15:30〜18:00

場所:sound cafe dzumi (サウンド・イメージ研究所)
JR吉祥寺駅南口より徒歩5分 Tel:0422-72-7822、〒180-0005 武蔵野市御殿山1-2-3 キヨノビル7F(1Fがスリアというヨガグッズ屋さん)

http://www.dzumi.jp/index.html

※sound cafe dzumiは別名「サウンド・イメージ研究所」。コーヒーやワインを飲みながら、フリー・ジャズを中心とする膨大なレコードのアーカイブを聴くことができます。個人的には、ESPレーベルの名盤がずらりと揃っていることに感動しました。即興演奏や実験的な音楽に関心がある方、聴いたこともないような音楽を求めている方、20世紀の音楽史をレコードで体験したい方、このイベントを機会に一度足を運んでみてください!


料金:1500円(冊子『アンビエント・リサーチ vol.1』+2ドリンクつき)
定員:20名

予約方法:メールにて予約を受け付けます。予約で定員に達し次第、申し込み受付を終了します。前日までにdzumi店内でお申し込みいただくこともできます。予約メールは tomotarokaneko@gmail.com(金子智太郎まで)宛てに、件名を「アンビエント・リサーチ第1回」として「参加者氏名(フルネーム)、参加者数、電話番号」を記入してお送り下さい。尚、お送り戴いた情報は当イベント予約以外に使いません。問い合わせ先も tomotarokaneko@gmail.com




アンビエント・リサーチとは・・

誰でも参加できる、アンビエント・ミュージックについての連続研究会型イベント。音楽関係者以外の方、学生、キュレーター、エディターの方、美術、映像、建築、医療、科学等に関心のある方、音楽に関心ない方もぜひご参加ください。アンビエント・ミュージックを聴くときに参考になる国内外の参考図書、資料等を見ながら、音源を聴いていきます。個人では限界のあるたくさんの情報へのアクセスに、周辺分野の理解に。アンビエント・ミュージックにまったく詳しくない学生の方もぜひ。

第1回はガイダンス「なぜアンビエントを聴くのか」の後、『音の海:エーテルトークアンビエントサウンド、イマジナリー・ワールド』の著者、デヴィッド・トゥープの論文「人間は本当に必要か:サウンド・アート、オートマタ、音響彫刻」を解説しながら実際に音源を聴いていく予定です。

デヴィッド・トゥープ:イギリスのミュージシャン、音楽批評家、キュレーター。70年代より即興演奏を始めてカンパニー、SME等に参加し、同時にバイオニクスにもとづくサウンド・アート制作を行った。75年にはブライアン・イーノのレーベル「オブスキュア」からLPを発表。80年代には即興演奏からテクノに移行するとともに、アメリカのアンダーグラウンド音楽を紹介するライターとしても活動する。84年に著書『ラップ・アタック』を刊行。95年に発表したアンビエント論『音の海』は、彼のこれまでの多様な活動をアンビエントによって集約したかのような内容で、同タイトルのCDではクラシックからジャズ、ロック、ダブ、テクノ、民族音楽などを驚くほどスムーズにDJミックスしている。2000年にはICCサウンド・アートーー音というメディア」展に参加、またヘイワード・ギャラリー「ソニック・ブーム」展のキュレーションを務める。2004年の著書『ホーンテッド・ウエザー:音楽、沈黙、記憶』は90年代後半以降の即興演奏、ラップトップ・ミュージック、サウンド・アート等の流れを切り取ったドキュメントであると同時に、急変するテクノロジーと音楽の関係を問う思考の軌跡でもある。2010年4月には待望の新著「シニスター・レゾナンス:リスナーの霊媒」も予定されている。




冊子「アンビエント・リサーチ vol.1」

・虹釜太郎「なぜアンビエントを聴くのか」

・金子智太郎「アンビエントの想像力を支えるシステム:アンビエントとテクノロジー概説」

 トゥープが『音の海』で語ったエキゾチシズムや結晶世界、虹釜太郎が冊子「アンビエント渦」で触れたカタストロフィーや終末期医療など、リサーチでは継続してアンビエント・ミュージックの想像力を取り上げていく予定。この文章ではそのようなアンビエントの想像力を物質的に支えるシステム、テクノロジーについて概説する。ブライアン・イーノは70年代の後半、アンビエントの提唱と同じ時期に、サイバネティクスにもとづく実験音楽論「芸術における多様性の生成と組織」を執筆した。また、レコードのライナー・ノーツなどでアンビエントを生みだすシステムについて説明している。一方、デヴィッド・トゥープは『ホーンテッド・ウエザー』で、当時のラップトップによる即興演奏の経験などを通じて、ミュージシャンとテクノロジーの関係をあらためて問い直している。では、現在の急速に変化するテクノロジーアンビエントの想像力にどんな影響を与えるのか?

・デヴィット・トゥープ「人間は本当に必要か:サウンド・アート、オートマタ、音響彫刻」抄訳、解説

 アタナシウス・キルヒャーからルイジ・ルッソロ、レーモン・ルーセル、ハリー・パーチ、バッシェ兄弟、パーシー・グレインジャー、アルヴィン・ルシエ、ハリー・ベルトイア…。20世紀を中心に多数の作家、作品を参照しながら、音楽の非人間的なあり方を概観した文章。トゥープの詳細な経歴、作品、著書リストも付属。

・「アンビエントとテクノロジー:ブックガイド」

 これまでに出版されたアンビエント・ミュージックに関する主要な文献、および関連するテクノロジーに関する文献を網羅したリスト。主に日本語の書籍を集めているが、未邦訳の古典、および新刊は海外の書籍も紹介している。



関連講座

虹釜太郎:アンビエント・ミュージック連続シリーズ

★HEADZ主催 BRAINZ『アンビエント渦』(全5回終了・2009年9月〜12月)
大阪市主催大阪アーツアポリア音楽講座『アンビエント2009』(全2回終了・2009年11月〜12月)
★『アンビエント渦』補講1 (2010年1月25日)
映画美学校 音楽美学講座 批評家コース



主催者略歴

虹釜太郎
レーベル「360°records」主宰。5時間イベント「5H」主催。BRAINZ第4期講師(HEADZ主催の連続講座「アンビエント渦」担当)。映画音楽監督として『ストロベリーショートケイクス』『憐REN』。自主冊子に「パリペキンカタログ」「アンビエント渦」「ワイプアウト日記」「Rezzine」(ばるぼら氏との共同製作)他。CDR「ウイークリー虹釜」シリーズ他。出張ハーブバー「薬草バーパリペキン」。作家・古川日出男との朗読×音響ユニット”列島を音響する”メンバー。土川藍+大城真との映像ユニット「1080°」。他に大阪市主催、大阪アーツアポリアで「アンビエント 2009」、映画美学校ゲスト講師他。
http://d.hatena.ne.jp/toxicdragon/

※イベント「5H」:ひとり5時間イベント。出演者は5時間何をやっても構わない。いままでに佐々木敦大谷能生、Mint-Lee、ばるぼら、山田民族、woodman,soundworm他が出演、2010年には陣野俊史磯部涼、カジワラトシオが出演予定。


金子智太郎
美学、聴視覚研究。「5H:現地録音」出演(2008年)。アート・プロジェクト"Audible Realities"に参加。共著に『iPhone x Music:iPhoneが予言する「いつか音楽と呼ばれるもの」』(徳井直生、永野哲久と、翔泳社、2009年)。東京工芸大学非常勤講師。
http://d.hatena.ne.jp/tomotarokaneko/