音響文化研究会トークイベント第5回 4月23日(土)本屋B&B

昨年8月から続けてきた音響文化研究会トークイベントは次回が最終回です。第5回を下北沢の本屋B&Bで開催します。今回はジョナサン・スターン『聞こえくる過去』(インスクリプト)刊行記念イベントでもあります。


ジョナサン・スターン『聞こえくる過去』刊行記念
音響文化研究会トークイベント

#5 「見る」ための音――障害と音響技術の関わり

エジソンは録音技術を目の見えない人のための本にしようとしました。ジョナサン・スターンは『聞こえくる過去』のなかで、聴覚障害が録音技術の成りたちに深く関わっていたと考えます。今回は、音響技術が障害といかに関わってきたかをテーマにお話を伺います。ゲストは視覚障害者の世界をあざやかに描いた『目の見えない人は世界をどう見ているのか』の著者、美学研究者の伊藤亜紗さんと、補聴器やオーディオ・ブックの歴史を研究されている瀬野豪志さんです。

ゲスト:伊藤亜紗東京工業大学准教授)、瀬野豪志(蘇音 音響技術史)
日時:2016年4月23日土曜日 15:00〜17:00 (14:30開場)
場所:本屋B&B 世田谷区北沢2-12-4 第2マツヤビル2F
入場料:1500yen + 1 drink order

お申し込みは、本屋B&Bのサイトのこちらからお願いします。
http://bookandbeer.com/event/20160423_miruoto/

INSCRIPT 『聞こえくる過去』刊行記念トークイベント開催!
http://www.inscript.co.jp/


音響文化研究会トークイベント全体の詳細はこちらのサイトをご覧ください。
音響文化研究会トークイベント 交差する音の技術と音の文化 http://soundstudies.jp/
音響文化研究会トークイベントについて http://soundstudies.jp/info/



「「見る」ための音――障害と音響技術の関わり」と題した今回は、感覚と音響技術の結びつきを、特に障害という場面にしぼって具体的に見ていきます。補聴器や誘導用チャイム、オーディオ・ブック、人工内耳に至るまで、さまざまな音響技術が視覚・聴覚の障害と関わっています。目の見えない人がこうした技術を通じて世界を「見る」ノウハウは、技術と感覚の関わりをめぐる豊かな発想をもたらしてくれるかもしれない、多くの研究者がそう考えてきました。レコードや電話、ラジオがいかなる状況のなかで生まれたのかを論じた『聞こえくる過去』の著者スターンもその一人です。

上の画像は『聞こえくる過去』の一ページ、挿絵に描かれているのは19世紀末のアメリカにあらわれた「電話人間」ことJ・C・チェスターです。当時、録音技術は聴覚障害の治療にも使われ、チェスターは自分の耳を「活性化」するために電話を「自分に配線」したと記録されています。こういう奇妙な話や図版をいくつも織りまぜて語るところが『聞こえくる過去』の魅力のひとつです。今回のトークも障害と音響技術の関係にまつわるユーモラスな話、怪しげな話、映像や音声を交えながら進めます。

今回のみ有料になりますが、ドリンクを片手にゆったり見聞きしていただけます。ぜひお越しください!

音響文化研究会トークイベント第2回 9月26日(土)東京藝術大学

音響文化研究会トークイベントの2回目を東京藝術大学で開催します。今回のテーマは「新しい「楽器」をつくるーー録音と電子楽器以降の楽器」です。音楽や楽器に関心のある方だけでなく、メディアと創作の関係に興味のある方なら誰でも楽しめる内容にしたいと思っています。『音響メディア史』もそういう内容ですね。


#2 新しい「楽器」をつくる――録音と電子楽器以降の楽器 http://soundstudies.jp/s02/
ゲスト 斉田一樹(木下研究所 客員所長)

入場無料 (予約の必要もありません。)
9月26日(土)17時〜19時
東京藝術大学美術学部中央棟1階、第2講義室
アクセス:http://www.geidai.ac.jp/access/ueno
(中央棟は美術学部キャンパス中央の建物(7番)です。第2講義室は玄関入ってすぐ右にあります。)

ぜひお越しください!


音響文化研究会トークイベント全体の詳細はこちらのサイトをご覧ください。
音響文化研究会トークイベント 交差する音の技術と音の文化 http://soundstudies.jp/
音響文化研究会トークイベントについて http://soundstudies.jp/info/

8月28日に開催された第1回の記録はこちらです。近日中にさらなる詳細を公開する予定です。
#1 日本の機械録音時代 http://soundstudies.jp/01/


音響文化研究会トークイベント第1回 8月28日(金)京都MEDIASHOP

谷口文和・中川克志・福田裕大『音響メディア史』(ナカニシヤ、2015)と、ジョナサン・スターン『聞こえくる過去』(インスクリプト、近刊予定)の出版にあわせて、連続トークイベントを開催します。

イベントの詳細はこちらのサイトをご覧ください。
音響文化研究会トークイベント 交差する音の技術と音の文化 http://soundstudies.jp/
音響文化研究会トークイベントについて http://soundstudies.jp/info/


第1回は今週金曜28日に、京都のMEDIASHOPで開催します。19時開始です。
#1 日本の機械録音時代 http://soundstudies.jp/01/

第2回は来月9月26日(土)に東京藝術大学で開催します。17時開始です。
#2 新しい「楽器」をつくる――録音と電子楽器以降の楽器 http://soundstudies.jp/s02/


どちらの回も入場無料です。ぜひお越しください!

2015年7月の活動報告

2本の論文が出版されました。どちらのテーマも研究を継続していく予定です。

論文「磁気テープから演劇へーージョン・ケージ《ウィリアムズ・ミックス》」『Art Trace Press』第3号、2015年、80-89頁。
論文「サウンド・パターンを聴くーートニー・シュヴァルツのドキュメンタリー録音」『美学』第246号、2015年、185-196頁。


洋書レビューも隔月で書いています。

雑誌『アルテス』電子版 洋書ブックレビュー http://magazine.artespublishing.com/
no.14「Timothy D. Taylor "The Sound of Capitalism: Advertising, Music, the Conquest of Culture"」『アルテス』2015年5月号。
no.15「Andrew Schartmann "Koji Kondo’s Super Mario Bros. Soundtrack"」『アルテス』2015年7月号。

2015年4月の活動報告

先ごろ出版された『表象』第9号の特集「音と聴取のアルケオロジー」は、現在の聴覚文化研究/サウンドスタディーズに関するまとまった紹介になっています。共同討議と翻訳に参加させていただきました。

渡辺裕+吉田寛+金子智太郎+長門洋平+福田貴成「共同討議 聴覚性の過去と現在」『表象』第9号、2015年、17-59頁。
ファイト・アールマン「デカルトの共鳴する主体」金子智太郎訳『表象』第9号、2015年、105-125頁。



自分の論文も出版されました。テープ・レコーダーの芸術的応用についての研究を少しずつでも進めていこうと考えています。

論文「同調の技法:デヴィッド・ダンのサイト-スペシフィック・パフォーマンス」『国際哲学研究』第4号、2015年、141-149頁。http://www.toyo.ac.jp/uploaded/attachment/15430.pdf

学会発表 金子智太郎、城一裕「音を発する装置の構造ーー生成音楽ワークショップの総括として」先端芸術音楽創作学会、2015年。
「生成音楽ワークショップの展覧会」カタログも後ほど公開される予定です。

雑誌『アルテス』電子版 洋書ブックレビュー http://magazine.artespublishing.com/
no.13「Brandon LaBelle "Lexicon of the Mouth; Poetics and Politics of Voice and Oral Imaginary"」『アルテス』2015年3月号。

生成音楽ワークショップの展覧会

生成音楽ワークショップ(城一裕、金子智太郎)は3月に展覧会を開催します。


<プレスリリース>

「生成音楽ワークショップの展覧会」

会期:2015年3月14日(土)〜2015年3月18日(水)
会場:さくらWORKS〈関内〉http://sakuraworks.org/
住所:〒231-0012 横浜市中区相生町3-61 泰生ビル2F
アクセス:JR関内駅より徒歩5分、みなとみらい線馬車道駅より徒歩5分
開館時間:11:00-20:00(3月14,15日)、11:00-18:00(3月16−18日)
入場料:無料

開催概要
楽家の手を離れて自動的に奏でられる音楽を「生成音楽」と呼びます。城一裕と金子智太郎による「生成音楽ワークショップ」は、装置を使った生成音楽の古典作品を再現することで、この音楽の実践のあり方を考えるプロジェクトです。2010年に始まり、これまでに11回開催された本ワークショップは展示、イヴェント、子供向けプログラム、大学講義などのかたちで、毎回異なる作品を再現してきました。「生成音楽ワークショップの展覧会(仮)」はこれまでの活動のひとつの総括として、過去の実践を紹介しながら、取りあげてきた作品のいくつかをもう一度再現、展示します。


展示構成(予定)
アルヴィン・ルシエ「細長いワイヤーの音楽」(再現)
エオリアン・ハープ
レオン・O・チュア「チュア回路」(再現)
ジョン・ケージ「失われた沈黙を求めて」(再現資料)
鳴釜


関連イヴェント
①エオリアン・ハープ制作ワークショップ
日時:3月15日 12時から15時
会場:さくらWORKS〈関内〉
講師:杉山紘一郎(冷泉荘管理人)
人数:10名
参加費:3000円、要事前申込み(2月中旬申込開始予定)

トーク・セッション「生成音楽の実践を考える(仮)」
日時:3月15日 16時から17時半
会場:さくらWORKS〈関内〉
登壇者:畠中実(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]主任学芸員)、中川克志(横浜国立大学都市イノベーション研究院准教授)、城一裕、金子智太郎
入場料:無料

③パフォーマンス
日時:3月15日 18時から20時
会場:さくらWORKS〈関内〉
出演者:堀尾寛太、杉山紘一郎、大山千尋IAMAS)ほか
入場料:無料


お問い合わせ
中川克志(横浜国立大学都市イノベーション研究院准教授)
E-mail:katsushinakagawa@ynu.ac.jp

主催:生成音楽ワークショップ(城一裕+金子智太郎)
共催:YCCスクール
協力:横浜国立大学人間文化課程音響空間スタジオ(中川克志研究室)、杉山紘一郎(冷泉荘管理人)、情報科学芸術大学院大学[IAMAS]


本展覧会は日本学術振興会科研費・挑戦的萌芽研究「生成音楽の体系的理解に向けた音を生み出す構造の分析」(24652029)の助成を受けたものです。

八木良太展トーク・セッション、2014年後半活動報告

神奈川県民ホールギャラリーで開催されている八木良太さんの「サイエンス/フィクション」展のカタログに文章を掲載させていただきました。1月12日(月・祝日)には本展のトーク・セッションにも参加します。トークは予約不要で、展覧会のチケットがあれば観覧できます。


八木良太展「サイエンス / フィクション」トーク・セッション
物の理(もののことわり) 八木良太の場合

2015年1月12日(月・祝)14:00
畠中実(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]主任学芸員)、金子智太郎(東京藝術大学/本展図録ゲスト執筆)、八木良太


八木良太展「サイエンス/フィクション」 http://www.lyt.jp/
神奈川県民ホールギャラリー http://www.kanakengallery.com/detail?id=32993


参考

REALKYOTO「サイエンスとフィクションの狭間に」インタビュー:八木良太(アーティスト)
聞き手・構成:畠中実(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]主任学芸員
http://realkyoto.jp/article/interview_yagi-ryota/

ICC オープン・スペース 2008 エマージェンシーズ!008 八木良太(出品作家)×畠中実 アーティスト・トーク【前半】
http://hive.ntticc.or.jp/contents/artist_talk/20080511
http://hive.ntticc.or.jp/contents/artist_talk/20080511_2



2014年の後半の活動報告をまとめておきます。

論文

「秘められた録音――ロバート・モリス《作られたときの音がする箱》」『東京芸術大学美術学部紀要』第52号、2014年、85-101頁。

八木良太の作品を通してみる物質文化」『八木良太展 サイエンス/フィクション』展覧会カタログ、神奈川県民ホールギャラリー、2015年、168-181頁。



雑誌『アルテス』電子版 洋書ブックレビュー http://magazine.artespublishing.com/

no.10「Janet Kraynak "Nauman Reiterated"」『アルテス』2014年9月号。

no.11「Michael Cowan "Walter Ruttmann and the Cinema of Multiplicity: Avant-garde - Advertising - Modernity"」『アルテス』2014年11月号。

no.12「David Novak "Japanoise: Music at the Edge of Circulation"」『アルテス』2015年1月号。


昨年した仕事の多くは年度末から今年夏前に出る予定です。ケージ論も今年こそ出るのでは。