日本美術サウンドアーカイヴサイト公開/展覧会のご案内

日本美術サウンドアーカイヴのウェブサイトを公開しました。これまでのプログラムや制作物の記録をまとめています。ぜひご覧ください。

日本美術サウンドアーカイヴ 

 


日本美術サウンドアーカイヴの次回の展覧会は、今井祝雄様の作品を取りあげます。会期は来年2月20日より、会場は大阪市中央区ギャラリー+1artです。


日本美術サウンドアーカイヴ──今井祝雄《Two Heartbeats of Mine》1976年


会期 2019年2月20日(水)~3月9日(土)11:00-19:00
   日月火曜休廊 最終日は11:00-17:00
会場 +1art (大阪市中央区谷町6-4-40) http://www.plus1art.jp/

展示作品
今井祝雄《Two Heartbeats of Mine》1976年
今井祝雄《ポートレイト/私だけの》1976年 他

トークイベント
日時 2019年2月20日(水)19:00-20:30
会場 +1art 入場料 500円
予約 +1art 050-3402-6279 plus1art@gmail.com
出演 今井祝雄、金子智太郎


作品画像等の詳細はこちらのページをご覧ください。

japaneseartsoundarchive.com



会場では今井様の近作の展示や、作品解説リーフレットの配布も行います。またカセットエディション「今井祝雄、倉貫徹、村岡三郎《この偶然の共同行為を一つの事件として》1972年」を販売します。お時間がありましたらぜひお越しください。

 

10月~11月のイベント参加

10月から11月にかけて、いくつかのイベントに参加します。講師、研究発表、トークゲスト、企画協力と役割はまちまち。
ひとつめと3つめはサウンドアート関連、2つめと4つめは聴覚文化関連です。お時間ありましたら会場で会いましょう。

 

連続フォーラム「アートがつなぐサイエンステクノロジー倫理美学
「音の芸術を構成するもの―聴く・再生・演奏の関係性から」

10月25日(木) 國學院大學渋谷キャンパス
https://jfac.jp/culture/events/e-kokugakuin-forum/

講師 dj sniff、金子智太郎

 

国際日本文化研究センター 2018年大衆文化研究プロジェクト総合国際シンポジウム
メディアミックスする大衆文化

10月27〜28日 京都リサーチパークサイエンスホール
http://eacjs.rspace.nichibun.ac.jp/a_program.html

10月27日(土)
研究発表 金子智太郎「録音によるアマチュア創作文化「生録」における批評の意義」

 

展覧会「空白より感得する」

10月13日〜11月11日 瑞雲庵(京都市北区
http://mhrs.jp/blanks/about/work/index.html

10月28日(日)
トークイベント出演 三原聡一郎、斉田一樹、金子智太郎

 

市民科学講座「災害のときのラジオ コミュニティのための番組をいかにつくるか」

11月23日(金・祝)
https://www.shiminkagaku.org/csijseminar_cfm_20181123/

講師 佐々木健二、長﨑励朗、瀬野豪志
協力 金子智太郎

 

 

オーディオユニオン録音コンテスト入選作品集

サイトに「オーディオユニオン録音コンテスト入選作品集」のページをつくりました。収録された作品をyoutubeに公開していきます。

https://tomotarokaneko.com/projects/aurc/

1970年代、テープレコーダーによってさまざまな音を録音することを楽しむ趣味が「生録」と呼ばれ、流行しました。生録とは生録音の略です。音楽だけでなく会話、蒸気機関車、祭、鳥や虫、身のまわりの音、架空の音など、録音の対象は広がっていきました。各地に同好会がつくられ、専門誌、ラジオ番組、生録用レコーダーやアクセサリー、コンテスト、ツアーなどが流行を支えました。

「オーディオユニオン録音コンテスト」は当時、おそらくもっとも継続した生録コンテストです。1971年から80年まで、全10回開催されました。第1回の募集要項には「特別に課題はありません、あなたのテーマをあなたの腕で自由に表現して下さい」とあります。入選作品はLPレコードに収録され、応募者に配布されました。当時の生録のありかたを聞くことのできる貴重な音源のひとつです。

この「オーディオユニオン録音コンテスト」第3回から第10回の入選作品集レコードに収録された作品を、ディスクユニオン社様のご厚意により許可をいただき、youtubeに公開します。この音源の著作権ディスクユニオン社にあります。商業利用は禁止されています。

このコンテストの情報を求めています。当時生録を楽しんでいた方、コンテストに応募された方、入選された方、お話を聞かせてください。コンテスト第1回、第2回の入選作品集も探しています。制作されたのかどうかも把握できていないので、教えていただけると助かります。またご希望の方にはwavファイルをお譲りします。tomotarokaneko -at- gmail.comまでご連絡ください。

残りのレコードも順にアップロードする予定です。少々お待ちください。

日本美術サウンドアーカイヴ 2018年1月7日〜4月14日 資料展

サイトに「日本美術サウンドアーカイヴ 2018年1月7日〜4月14日 資料展」の情報を公開しました。

https://tomotarokaneko.com/projects/jasa/20180107_0414/

日本美術サウンドアーカイヴ 2018年1月7日〜4月14日 資料展

会期 2018年6月25日(月)〜6月29日(金)12:00〜19:30
会場 東京藝術大学上野キャンパス大学会館2F展示室 
 
本展覧会は日本美術サウンドアーカイヴが2018年1月7日から4月14日までに開催した企画の関連資料(録音、写真、映像、リーフレット、機材、参考資料他)、発表した制作物(レコード、カセットエディション)を展示します。
 
トークイベント
日時 2018年6月25日(月)18:00-19:30 会場 東京藝術大学上野キャンパス大学会館2F展示室 入場無料
出演 畠中実、金子智太郎 ゲスト 平倉圭横浜国立大学准教授)

今回の展示は先に開催した企画のさまざまな記録が中心で、作品の再演や再制作はありません。日本美術サウンドアーカイヴの大きな関心事のひとつ、作品とその記録の関係をあらためて考える機会にします。

トークイベントではゲストに横浜国立大学平倉圭さんをお呼びして、新たな視点から作品を論じていきます。平倉さんが近年論じている「異鳴の技法」についてもお伺いしたいです。


日本美術サウンドアーカイヴ関連のページも整理しました。制作物(レコード、カセットエディション)の情報、オンラインショップのリンクなどを追加しています。

https://tomotarokaneko.com/projects/jasa/

翻訳 D・カニングハム「集合体 中島吏英のサウンド・オブジェ」

中島吏英さんの作品集『おとになるーー30個のオブジェと10分の音』(トゥルーリング、2018年)が出版されました。収録されている論考、デイヴィッド・カニングハム「集合体ーー中島吏英のサウンド・オブジェ」を翻訳しました。

『おとになるーー30個のオブジェと10分の音』紹介ページ
http://cawaiifactory.jp/journal/#/true_ring/_3010/


作品集は中島さんによる日用品やモーターを組みあわせてつくられたオブジェの写真が中心で、QRコードもついていてオブジェの音を聞くことができます。Special Editionはサイン入りCDつき。

カニングハムの論考は中島さんの展示やパフォーマンスを個々に紹介しながら、作品のひとつの聞きかたを提案するような内容です。

 たいていの場合、作品を構成するオブジェをひとつひとつ作動させていくと、全体の音の大きさは予想どおりだんだん上がっていく。しかし、全体の音のダイナミクスはゆるやかに上がるのではなく、対数曲線を描くように上昇する。中島の作品ではよくプロセスの途中のあまり予想できない時点で全体の音量が急上昇する。そうすると、それぞれのオブジェの個性的な音が全体の音に混ざり、作品が均質になる。個々の音は聞きわけられなくなり、全体が雪だるま式に空間をすっかり満たしていく。この状況がどうやって生じるのかを特定するのは難しい。オブジェがだす音が一定の量に達すると反響し、共振周波数や高調波によって強められるといった、空間の音響効果が関係しているのだろう。

『おとになるーー30個のオブジェと10分の音』は六本木のShugo Arts 、国立のMuseumshopTで販売しています。通販も準備中だそうです。詳細は上記リンク先に。

『表象12』掲載論文

今月出版された『表象12』に論文「環境芸術以後の日本美術における音響技術ーー一九七〇年代前半の美共闘世代を中心に」を掲載していただきました。昨年夏に書いたものですが、日本美術サウンドアーカイヴとも重なる内容です。

英文要旨の日本語訳はこちら。

金子智太郎「環境芸術以後の日本美術における音響技術ーー一九七〇年代前半の美共闘世代を中心に」

本論文は美共闘世代による1970年代前半の音響技術を用いた作品の意義について検討する。当時注目を集めていたもの派がテクノロジーと距離をとったのに対して、美共闘世代はさまざまなメディアを積極的に表現に取りいれた。さらに、その音響技術の用いかたは、新しいテクノロジーをさかんに使用した1960年代後半の環境芸術とも大きく異なった。本論文は美共闘世代と環境芸術の作家による音響技術の用いかたを比較する。そして前者は、後者が構想した「環境」のただなかに非均質性を生みだすことで、独自の表現をつくりあげたのではないかと論じる。

日本美術サウンドアーカイヴは6月25日から29日に、1月から4月までの企画をめぐる資料展を開催する予定です。会場は東京藝術大学上野キャンバスの大学会館です。これまでの企画で制作したリーフレットも再び配布します。詳細は追ってご報告します。

日本美術サウンドアーカイヴ関連音源の販売

日本美術サウンドアーカイヴは現在、記録をまとめたサイトを作成中です。次回の企画はまだ未定ですが、現在でも関連音源は入手できます。


Great White Light「Great White Light」LP


大西清自、カワスミカズオ、塩谷光吉、浜田剛爾からなるグループ、Great White Lightが1971年に岸記念体育会館で上演したパフォーマンスの記録です。大西さんは60年代半ばより風船や送風機を使用した作品で知られていました。Great White Lightの音の中心は彼が送風機でマイクを吹いたノイズです。建築家の塩谷さんが数台の送風機とマイク、スピーカーなどからなる舞台装置を設計し、浜田さんは複数のマイクを使ったボイスパフォーマンス、カワスミさんはおそらくさまざまな音響効果で参加しました。

このレコードはEdition OMEGA POINTと日本美術サウンドアーカイヴの共同企画による、もとは大西清自さんの作品集に付属していたLPの再発です。ライナーにはパフォーマンスの様子や各メンバーの活動など、詳細な情報を掲載しました。

OMEGA POINTのサイトで購入できます。試聴も可能です。
http://omega-point.shop-pro.jp/?pid=129963744



Art & Space ここからでの展示にあわせて制作したカセットエディションも、ここからオーナーのサイト VLZ ProduktやOMEGA POINTで販売しています。これらの詳しい情報はまた追って。

VLZ Produkt https://www.vlzprodukt.com/
OMEGA POINT http://omega-point.shop-pro.jp/




また今週末は京都「外」でトークイベントに出演します。21日夜は日本美術サウンドアーカイヴについて、22日夜は生録について話す予定です。

http://soto-kyoto.jp/event/180421-22/