日本美術サウンドアーカイヴ 2, 3, 4月

明日から「日本美術サウンドアーカイヴ──高見澤文雄《柵を越えた羊の数》1974年」の開催です。会場ではリーフレットを配布、ディションを販売しています。初日夜はトークイベントを開催します。ぜひお越しください!


日本美術サウンドアーカイヴ──高見澤文雄《柵を越えた羊の数》1974年

日時 2月11日(日)〜2月17日(土)12:00-20:00(月曜休廊、最終日は12:00-17:00)
会場 南青山 Art & Space ここから https://cococara-minamiaoyama.jimdo.com/

展示作品
高見澤文雄《柵を越えた羊の数》(1974年)再制作 他

トークイベント
2月11日(日)19:00-20:30
会場 南青山 Art & Space ここから
入場料 1000円
予約ページ https://cococara-minamiaoyama.jimdo.com/日本美術サウンドアーカイヴ特設ページ
出演 高見澤文雄、畠中実、金子智太郎



また、サイトに日本美術サウンドアーカイヴの3-4月の企画を掲載しました。1月のイベント・展示にて行った3-4月の告知から1点変更があります。和田守弘さんの展示は4月8日から1週間になりました。ご注意ください。


日本美術サウンドアーカイヴ──野村仁《音調、強度、時間を意識して、レコード(糸)を操作する》1973年

会期 2018年3月11日(日)〜3月17日(土)12:00-20:00(月曜休廊、最終日は12:00-17:00)
会場 南青山 Art & Space ここから https://cococara-minamiaoyama.jimdo.com/

展示作品
野村仁《音調、強度、時間を意識して、レコード(糸)を操作する》(1973年)再制作
野村仁《Rape-Blossoms, Devil-Fish, Iron-y》(1975 年)

トークイベント
2018年3月11日(日)17:00-18:30
会場 南青山 Art & Space ここから
入場料 1000円
予約ページ https://cococara-minamiaoyama.jimdo.com/日本美術サウンドアーカイヴ特設ページ
出演 野村仁、金子智太郎



日本美術サウンドアーカイヴ──渡辺哲也《CLIMAX No.1》1973年

日時 2018年3月25日(日)12:00-20:00
会場 三鷹 SCOOL http://scool.jp/
入場料 予約2000円/当日2500円
予約ページ http://scool.jp/event/20180325/
協力 日本映像学会アナログメディア研究会

上演作品
渡辺哲也《CLIMAX No.1》(1973年)再演
渡辺哲也《コーヒーを飲む》(1975年) 他

レクチャー、トーク
出演 畠中実、金子智太郎



日本美術サウンドアーカイヴ──和田守弘《認識に於ける方法序説 No.Ⅰ SELF・MUSICAL》1973年

会期 2018年4月8日(日)〜4月14日(土)12:00-20:00(月曜休廊、最終日は12:00-17:00)
会場 南青山 Art & Space ここから https://cococara-minamiaoyama.jimdo.com/

展示作品
和田守弘《認識に於ける方法序説 No.Ⅰ SELF・MUSICAL》(1973年)再制作 他

トークイベント
2018年4月8日(日)19:00-20:30
会場 南青山 Art & Space ここから
入場料 1000円
予約ページ https://cococara-minamiaoyama.jimdo.com/日本美術サウンドアーカイヴ特設ページ
出演 畠中実、金子智太郎

日本美術サウンドアーカイヴリーフレット・次回の企画

Art & Space ここからで開催した「日本美術サウンドアーカイヴ──稲憲一郎《record》1973年」が無事終了しました。この展覧会では、稲憲一郎《record》(1973年)の再制作、稲憲一郎《immature plane 12-110》(2012年)、「精神生理学研究所」冊子をはじめとする資料を展示し、稲憲一郎《walking/staying》(1972年)カセットエディションを販売しました。

また今回もリーフレットを配布しました。

テキスト:
稲憲一郎「45年後の再制作――再び生み出されるもの」
金子智太郎「流動するものへの欲望――稲憲一郎《record》」

デザイン:川村格夫



日本美術サウンドアーカイヴの次回の企画は「日本美術サウンドアーカイヴ──高見澤文雄《柵を越えた羊の数》1974年」(「高」はハシゴの高)です。会場は同じく南青山の Art & Space ここから、会期は2月11日〜17日(月曜休廊)です。初日にはトークイベントを開催します。詳細はこちらからご確認ください。

日本美術サウンドアーカイヴ──高見澤文雄《柵を越えた羊の数》1974年
https://tomotarokaneko.com/projects/jasa/numberofsheep/


次回も再制作だけでなく資料、カセットエディション、リーフレットなどを取り揃える予定です。2月16日(金)20:00-21:30には、TPAM2018・TPAMフリンジプログラムとして「日本美術サウンドアーカイヴプレゼンテーション」を開催します。

日本美術サウンドアーカイヴプレゼンテーション
https://www.tpam.or.jp/program/2018/?program=fumio-takamizawa



また近日中に、これまで企画のなかで話した、日本美術サウンドアーカイヴの3〜4月の企画についても詳細を告知したいと思います。

日本美術サウンドアーカイヴリーフレット

1月7日の「日本美術サウンドアーカイヴ――堀浩哉《Reading-Affair》1977年」へのご来場ありがとうございました。このイベントでは、堀浩哉《MEMORY-PRACTICE (Reading-Affair)》再演(出演:関真奈美、馬場省吾)と新作、堀浩哉+堀えりぜ《わたしは、だれ?――Reading-Affair 2018》(出演:堀浩哉、堀えりぜ)の上演を行ないました。

また、上演の合間にこちらのリーフレットを配布しました。縦に長いです。

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テキスト:
堀浩哉「《Reading-Affair》ーーその成り立ちについての覚え書き」
金子智太郎「波状の境界――堀浩哉《MEMORY-PRACTICE (Reading-Affair)》」
畠中実「日本美術サウンドアーカイヴ試論 堀浩哉のパフォーマンスにみる、テクノロジーを介した「作ること」の問い直し」

デザイン:川村格夫


日本美術サウンドアーカイヴでは毎回こうしたリーフレットを制作して配布する予定です。14日からはじまる「日本美術サウンドアーカイヴ――稲憲一郎《record》1973年」でも、稲憲一郎さんと僕のテキストを収録したリーフレットを配布します。また、上のリーフレットの見本も読めるようにしておきます。

上のリーフレットはまだ配布できる分が少しあるので、稲さんのカセットエディションを購入していただいた方にお渡しします。

日本美術サウンドアーカイヴエディション・TPAM2018・活動報告

日本美術サウンドアーカイヴエディション

1月と2月に開催する日本美術サウンドアーカイヴの展覧会(詳細 https://tomotarokaneko.com/projects/jasa/)では、Edition Cococaraと日本美術サウンドアーカイヴが共同制作したカセットテープのエディションを販売します。下の写真は制作中のものです。

稲憲一郎さんの展覧会では、稲さんが1972年にカセットテープに録音した未発表作品《staying/walking》を発売します。


高見澤文雄(「高」はハシゴの高)さんの展覧会では、《柵を越えた羊の数》のオリジナルカセットテープの一部をエディションにしました。


どちらも録音は40年以上前になりますが、コンセプチュアルかつノイジーで、ユーモアもある音です。展覧会では試聴できるようにしようと思っています。数量限定、サイン入りです。



TPAM2018 日本美術サウンドアーカイヴプレゼンテーション

日本美術サウンドアーカイヴとして、2018年2月10日から18日まで開催されるTPAM2018の「TPAMフリンジ」に参加します。

TPAM2018 日本美術サウンドアーカイヴ https://www.tpam.or.jp/program/2018/?program=fumio-takamizawa

プログラムは同時期に開催する「日本美術サウンドアーカイヴ──高見澤文雄《柵を越えた羊の数》1974年」(2月11〜17日、月曜休廊)と、2月16日(金)20:00-21:30に開催する「日本美術サウンドアーカイヴプレゼンテーション」です。プレゼンテーションでは活動の概要を音源や映像をまじえて紹介します。入場無料ですので、展覧会のついでにぜひご参加ください。



活動報告

Leonard Music Journalに共著論文が掲載されました。中川克志さんとの共同調査報告のまとめです。

日本美術サウンドアーカイヴ告知

畠中実さん(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]主任学芸員)と新しくプロジェクトをはじめます。音と関わる日本の美術作品を聞いていくプロジェクト「日本美術サウンドアーカイヴ」です。2018年のはじめからイベントや展示を開催し、しばらく定期的に継続していく予定です。レコード、エディションの制作なども計画しています。

日本美術サウンドアーカイヴ

 日本にはこれまでに、美術館や画廊、アトリエや公共空間でさまざまな音を鳴り響かせてきた美術家がいる。しかし、ほとんどの音は鳴り止んでしまえば、再び聞くことがかなわなかった。視覚資料を中心とする美術史のなかで、音をめぐる情報はどうしても断片的なままに留まってしまう。日本美術サウンドアーカイヴはこうした美術家たちによる参照しにくい過去の音にアクセスしようとするプロジェクトである。
 作家や関係者へのインタビュー、文献調査、作家が所有する録音などを通じて、過去の作品にまつわる情報を収集し、整理する。そして、作品の再制作や再演を作家に依頼し、もしくは自分たちの手で行い、展覧会、イベント、レコードなどのかたちで発表していく。このような活動を通じて、日本美術における音の意義を検討し、その可能性を開くための基盤をつくりだしたい。
 日本美術における過去の音について考えようとするとき、現代の私たちはたくさんの問いに出会う。それは各時代の美術の動向のなかでいかに位置づけられたのか。音楽をはじめとする同時代の他の芸術といかに結びつき、区別されたのか。同時代の聴覚文化や視覚文化といかに関わってきたのか。これらの問いを前にした人が、まず音に向きあうことから探求をはじめられるようにすることは、このプロジェクトの大きな目的のひとつである。

2017年10月 金子智太郎 畠中実


まず年明け1月7日に、堀浩哉さんの作品《Reading Affair》(1977年)の再演を三鷹SCOOLで開催します。また堀浩哉さん+堀えりぜさんによる《Reading Affair》の新作も上演します。トークとレクチャーではこのプロジェクトの趣旨や、堀さんの70年代作品、また1960-70年代における音と関わる美術作品の背景などについて論じる予定です。


日本美術サウンドアーカイヴ──堀浩哉《Reading Affair》1977年

日時 1月7日(日)15:00-19:00
会場 三鷹 SCOOL http://scool.jp/
入場料 予約2500円/当日3000円
予約ページ http://scool.jp/event/20180107/
協力 ミヅマアートギャラリー

上演作品
堀浩哉《Reading Affair》(1977年、ファリデ・カド・ギャラリー(パリ))再演
堀浩哉+堀えりぜによる《Reading Affair》の新作

レクチャー、トーク
出演 堀浩哉、畠中実、金子智太郎




SCOOLでのイベントの翌週1月14日から南青山 Art & Space ここからで、稲憲一郎さんの作品《record》(1973年、再制作)の展示を一週間開催します。そして翌月の2月11日からは同じ会場で、高見澤文雄(「高」はハシゴの高)さんの作品《柵を越えた羊の数》(1974年、再制作)の展示を開催します。どちらも初日にトークイベントがあります。また会場では関連するエディションの販売をする予定です。


日本美術サウンドアーカイヴ──稲憲一郎《record》1973年

日時 1月14日(日)〜1月20日(土)12:00-20:00(月曜休廊、最終日は12:00-17:00)
会場 南青山 Art & Space ここから https://cococara-minamiaoyama.jimdo.com/

展示作品
稲憲一郎《record》(1973年)再制作 他

トークイベント
1月14日(日)19:00-20:30
会場 南青山 Art & Space ここから
入場料 1000円
予約ページ https://cococara-minamiaoyama.jimdo.com/日本美術サウンドアーカイヴ特設ページ
出演 稲憲一郎、金子智太郎



日本美術サウンドアーカイヴ──高見澤文雄《柵を越えた羊の数》1974年

日時 2月11日(日)〜2月17日(土)12:00-20:00(月曜休廊、最終日は12:00-17:00)
会場 南青山 Art & Space ここから https://cococara-minamiaoyama.jimdo.com/

展示作品
高見澤文雄《柵を越えた羊の数》(1974年)再制作 他

トークイベント
2月11日(日)19:00-20:30
会場 南青山 Art & Space ここから
入場料 1000円
予約ページ https://cococara-minamiaoyama.jimdo.com/日本美術サウンドアーカイヴ特設ページ
出演 高見澤文雄、金子智太郎



作家プロフィールや作品画像などの詳細はサイトにて。

再演・再制作していただく3作品は、日本美術と音の関わりにとってどれも非常に重要な作品です。テープレコーダーを使うことなど、いくつかの共通点がありますが、作品の背景を知るほど違いも見えてきます。これらの作品は同時代の美術の動向のなかでいかに位置づけられたのか。同時代の他の芸術、および聴覚文化といかに関わるのか。それぞれの作品にとっての音の意義とは。こうしたことを実際に音を聞きながら考える機会になれば。会場では詳細な情報を記したリーフレットを配布する予定です。ぜひお越しください。

「生録」研究の進捗

近年あちこちで話してきた、1970年代に流行した「生録」についての論文が今年の春に出版されました。本文をサイトに掲載しているので、ぜひご一読ください。サイトでは図版を省略していますが、PDFファイルには掲載しています。


一九七〇年代の日本における生録文化──録音の技法と楽しみ
https://tomotarokaneko.com/works/work2/


要旨

 一九七〇年代の日本において、さまざまな音の録音を楽しむ「生録」という文化がオーディオ愛好家を中心に流行した。録音家たちはSLや伝統行事の音、野鳥の声といった現実音を録るために、携帯型テープ・レコーダーを持ち歩き、野外でマイクロフォンを構えた。オーディオ誌だけでなく各種の一般誌にも生録についての記事が掲載され、生録専門誌、コンテスト、同好会、ラジオ番組なども生まれた。

 音や聴覚をめぐる学際的研究においては近年、歴史的・文化的に構成された聴取のあり方が「聴覚性(aurality)」と呼ばれ、特に音響技術を通じた聴取の研究が盛んである。本論文は一九七〇年代日本の生録文化を調査し、録音家たちがマイクロフォンを通じて現実の音をいかに聞いていたのかを考える。当時、数多く出版された生録入門記事や入門書のなかで、専門家たちは初心者に対して録音機器の扱い方だけでなく、録音とは何か、人間の耳はいかに働くのかといった解説も行っていた。本論文はこうした議論にもとづいて生録文化における聴取のあり方を理解しようと試みる。さらに、日本のテープ録音文化の展開や、オーディオ・メーカー、オーディオ・ジャーナリズム、FMラジオの役割といった生録ブームの背景についても考察し、これらが生録の聴覚性にいかなる影響をもたらしたのかについても検討する。 生録文化においてはステレオ録音の創造性が重視されていた。この認識は上記の多様なコンテクストの関係性のなかから生まれてきたと考えられる。



この論文は生録の流行の概要について書いています。今後も個別の論点を追っていくつもりです。生録関連の音源の公開など、新しいプロジェクトも計画しています。

表象文化論学会で先日発表した、70年代の現代美術における音響技術の使用についても論文を執筆中です。こちらも関連企画を準備中です。

サイト開設、2017年度前半の活動報告

サイト開設のお知らせ

業績をまとめたサイトをつくりました。https://tomotarokaneko.com/

以前『アルテス』に連載した洋書レビューを全文掲載しています。このブログのプロフィールに掲載していた情報はこちらに移しました。今後ブログにはこのサイトの更新情報を掲載していきます。



2017年度前半の活動報告

論文などがいくつか出版されました。すべて上記サイトで公開しています。

  • 国際学会プロシーディング Tomotaro Kaneko, “Self-Discovery Through Sound Recording: The Aesthetics of Namaroku in 1970s Japan,” in International Congress of Aesthetics 2016 Proceedings, 2017.
  • 論文 金子智太郎「一九七〇年代の日本における生録文化──録音の技法と楽しみ」『カリスタ』23号、2017年、84-112頁。
  • 調査報告 KANEKO, Tomotaro. NAKAGAWA, Katsushi. “Research on the Development of Sound Art in Asian Countries: On “Sound Effects Seoul” Series (Interview with Ji Yoon Yang and Chulki Hong),” in Tokiwadai Journal of Human Sciences, vol.3(1), 2017, pp.161-173.
  • 調査報告 中川克志、金子智太郎「日本におけるサウンド・アートの展開──〈1980年代日本における音具〉をめぐるいくつかの文脈」『京都国立近代美術館研究論集 CROSS SECTIONS』第8号、2017年、36-43頁。
  • 展覧会カタログ 金子智太郎「人工風景を通じて自己を聴く──上村洋一のフィールド・レコーディング作品」『普遍的な風景』国際芸術センター青森、2017年、48-51頁。


日文研表象文化論学会で発表をしました。

  • 金子智太郎「「環境」からの逸脱──1970年代日本の現代美術における音響技術」表象文化論学会、アーツ前橋、2017年。
  • 金子智太郎「録音の規範と偏差──1970年代の録音紀行から」共同研究会「音と聴覚の文化史」、国際日本文化研究センター、2017年。